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過去の知識やスキルは関係ない。「フローラ薬局」が大切にしていることとは

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本日は、茨城県水戸市にあるかかりつけ薬局「フローラ薬局 河和田店」にお邪魔しています。「患者さんにとってより身近に感じられる存在でありたい」と話す同局の代表、篠原久仁子(しのはら・くにこ)さんが、かかりつけ薬剤師として譲れないものとは?

フローラ薬局とは

医療用の医薬品を豊富に揃えた処方せん調剤を主体とする薬局。また、中国医学にもとづいた本格的漢方相談、針灸治療、漢方薬、生草に基づいた不妊症・皮膚病治療における実績を持つ。

フローラ薬局:公式サイト

※当サイトは口コミの一部を掲載しています。

この記事に書いてあること


▲篠原久仁子(しのはら・くにこ)さん

「フローラ薬局」は茨城県内に3店舗を展開。うち2店舗の河和田店と友部店は『健康サポート薬局』に認定されています。代表を務める篠原さんは、薬局隣のハーブ農園でとれるフレッシュハーブを使った薬膳教室の講師や出版物の執筆をおこなうなど、多方面で活躍している。

>健康サポート薬局とは、かかりつけ薬剤師、薬局の基本的な機能だけでなく、市販の薬や健康食品、食生活、介護相談や受診勧奨まで気軽に健康相談もできる薬局のこと。

薬剤師としてのあり方に違和感を感じた薬学部時代

渡辺:早速ですがまずは、篠原さんが薬剤師を目指したきっかけについて教えていただけますか?

篠原さん:親戚が薬剤師だったのが大きいですね。風邪をひいたときに親戚の薬剤師のもとへ行くと、自分に合ったお薬を調合してくれたんです。しかもその薬を飲んだら、症状がすごく楽になった。それが本当に嬉しくて、子どもながらに「私もいつか、人の役に立てる薬剤師になりたい」そう思うようになりました。

渡辺:薬剤師の道へ進んだのはごく自然なことだったんですね。薬学部時代はどんな学生だったんですか?

篠原さん:薬草研究が大好きな学生でした。大学内にある薬草園に生えている草花を摘み取って研究する、という授業があったんです。レモングラスは、パッと見は単なる雑草。だけど、摘み取ってその香りを嗅いでみると、柑橘系のとても爽やかな香りがするんです。

しかもその植物には、疲労を和らげたりストレスを軽くしたり、たくさんのパワーが秘められているんですよ。「植物にこんな力があるんだ」って、薬草研究の時間は本当に楽しかった。

渡辺:「フローラ薬局」さんでは、ハーブ農園でたくさんのハーブを育てていらっしゃいますよね。大学時代の薬草研究との出会いが、今の仕事に繋がっているんですね。

篠原さん:せっかくなのでハーブ農園見ていきませんか?少し距離があるので車で行きましょう。

渡辺:ありがとうございます!

フレッシュハーブを使った薬膳教室やハーブリーズ作り教室を定期的に開催

篠原さん:着きましたよ。ハーブは春先が旬なので今はほとんど花が咲いていないんですけど、レモングラス、ローズマリー、クコの実、ケツメイシとか色んなハーブを育てているんです。

>こちらの葉っぱはカモミール。春になると白い花を咲かせる。摘み取った花びらをハーブティーにして飲むと、のどの炎症を抑え、粘膜を保護、保湿効果や風邪対策になる。

渡辺:すごく素敵なハーブ農園ですね!篠原さん、この種はなんですか?

篠原さん:これは『ケツメイシ』というマメ科の植物。この中の実を煎った代表的なものにハブ茶というお茶があります。ハブ茶には、整腸作用やデトックス効果があるんです。だから、飲み続けてるとお肌もきれいになりますよ。

渡辺:ハブ茶をおいしく飲みながら、体の内側からも外側からもきれいになれるだなんて一石二鳥ですね!お肌といえば私、肌荒れがひどくて本当に困っていて……。

篠原さん:それなら、レモングラスや板藍根または、ケツメイシなどのハーブティーを飲むといいですよ。抗菌作用やデトックス作用があるから、ニキビも治りやすくなります。外は寒いですしせっかくなので、部屋でレモングラスのお茶でも飲みながらお話ししましょうか。

渡辺:いいんですか!ありがとうございます!

>ハーブ農園には小部屋があり、ハーブ教室や石けん作りの教室を開いている。以前視察で訪れたというドイツのハーブ農園がモチーフ。

渡辺:部屋中ハーブのいい香りがしますね。篠原さんも仕事の途中にここで、ひと息ついたりするんですか?

篠原さん:いいえ、それはないです(笑)。ここでは、ハーブ農園で取れたハーブを使って、ハーブリース作りや石けん作りの教室を定期的に開いているんですよ。

>部屋に飾られているリースは、庭で採れたハーブのみを使用。普通は数日ほどで枯れてしまうが、ローズマリーやヒノキなどのフレッシュハーブは抗酸化作用が強いため1ヶ月近く鮮やかな色合いが続く。

渡辺:1回の教室に大体何名くらいの方が参加するんですか?

篠原さん:その時々によってバラバラですけど、10名ほどですね。今でこそたくさんの方が教室に参加してくれていますが、薬局のオープン間もないころは全然だったんですよ。それに当時は、かかりつけ薬剤師の存在すら地域住民の間に浸透していなかったので、オープンしてから数ヶ月間は開店休業の状態が続きました。

そのときに気づいたんです。受け身でいてはいけない。患者さんにとって役立つ存在になるためには、自分から地域に発信していかなければいけないんだって。

渡辺:それでハーブ農園を作ったんですね。

篠原さん:そうです。でも、ただハーブ農園を作ってもそれを活用する場がないと意味がないと思い、近隣に住む女性のお客さんをターゲットにして薬膳教室をはじめたんです。

当時は、私の自宅の2階を教室として使っていたんですけど、この取り組みが徐々に口コミで広がりおかげさまで参加者が増えたので専用のスペースを別に作りました。今では遠方からわざわざ通ってくださる方も多く、本当に嬉しい限りです。渡辺さん、冷めないうちに飲んでくださいね。

>篠原さんが淹れてくれたレモングラス。摘みたてのレモングラスは、スッキリとしていて爽やかな味わい。

渡辺:ありがとうございます!私はレモングラスが好きでティーパックで飲むこともたまにあるんですけど、フレッシュハーブだと香りが全然違いますね。仕事で行き詰ったときに飲むと頭がスッキリしそう。

篠原さん:そうですね。私が考案したレモングラスや板藍根を調合したハーブティーレシピは、漢方メーカーからのど飴として製品化されているんですよ。以前、ドイツ視察で訪れた香水屋さんで、とても興味深いお話を聞いたことがあって。 ハーブ大国と言われているドイツでは、薬局で怪我や病気の治療薬としてハーブの調合やアロマセラピーが用いられているんですよ。もともと薬の歴史のルーツでは、薬剤師が摘んだフレッシュハーブから蒸留した精油や香水が、薬として使われてきたと言われているんです。しかも、お店で働く人たちストレス度は非常に低いという研究結果も出ているそうで。

渡辺:……え!!

篠原さん:ハーブってすごいでしょ?ハーブには心のストレスを和らげてくれる効果があるということがきちんと証明されているんです。

渡辺:じゃあ部屋にハーブを置いておくだけでもきちんと効果を得られるということなんですね。

薬剤師にとって知識やスキルよりも大切なこととは?

渡辺:私も定期的に皮膚科に行くのですが、病院で処方されたものを使っているだけで「これで肌荒れも治る」と安心しきってしまいます。ただ、薬の効果が強い分、使うのをやめた途端に元の状態に戻ってしまうんですよね……。

篠原さん:それはつまり、日頃使っている洗浄剤などの衛生用品が渡辺さんのお肌には合っていない可能性があります。だからこそ、患者さんひとりひとりの症状を聞いて、副作用がないかどうかを気軽に相談できる存在が必要。それが、私たちかかりつけ薬剤師なんです。渡辺さんは、自分を担当した薬剤師さんの顔を覚えていますか?

渡辺:……いえ、まったく。

篠原さん:ですよね。大体の方が、薬剤師の顔を覚えていないんです。それは、薬を受け渡すだけの関係になってしまっているから。でも、本来の薬剤師としてのあるべき姿はそうではない。ちゃんと相手の顔が見えて、気軽に相談にものれる、いわば患者さんにとっての心の拠り所となる存在であるべきだと私は思っています。

そのためには、相談に来てくれた患者さんの話をじっくり聞いて、その人の体質や症状に一番合った漢方薬を調合したり、処方内容をチェックする。そうやって、患者さんと信頼し合える関係を大切にしたいと思います。一緒に働くスタッフにも、「患者さんから必要とされる存在であってほしい」って常に話をするんです。

渡辺:全員が同じ志を持って働いていらっしゃるんですね。篠原さんが面接のときに重要視していることって何ですか?

篠原さん:やっぱり一番は、患者さんを思いやる熱意と行動があるかどうか。まっすぐな気持ちですよね。ブランクがあろうが結婚していようが関係ないです。

それに、過去の知識や経験もそこまで重要視していません。それよりも、「患者さんに役立つ存在でありたい。そのためにかかりつけ薬剤師としての経験値を積んでいきたい」。そういう熱い気持ちがある人を育てて、一緒に働きたいですね。

まとめ

取材の間『篠原さんいつもありがとね』『篠原さん、今度の週末ゴルフ行くんだけど運動しても大丈夫かな?』と、薬局を訪れた患者さんのほとんどが『篠原さん、篠原さん』と気さくに話しかける様子が印象的でした。強い信頼関係こそが、患者さんから必要とされる薬剤師として一番必要なことなのではないでしょうか。

※この記事は弊社別メディア「HOP!薬剤師」からの転載です。

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