「くすりのしおり®」で薬剤師さんと患者さんのコミュニケーションが円滑に?
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こんにちは。「HOP!薬剤師」編集担当の与那覇です。
皆さんは「薬を飲んで症状が良くなった!」という経験だけでなく、「薬を飲んだら、かえって身体の調子が悪くなってしまった」「もしかして、薬の副作用?」などと服用中の薬に対して不安や疑問を抱いたことはありませんか?
今回は、患者さんと薬剤師さんに向けて薬の情報を提供しているWEBサイト『くすりのしおり®』を運営する「一般社団法人くすりの適正使用協議会」の皆さんに直撃インタビュー!
薬との付き合い方や、薬剤師さん・患者さんの関わり方について考えていきます。
※当サイトは口コミの一部を掲載しています。
この記事に書いてあること
1.薬の効果や副作用をわかりやすく解説!『くすりのしおり®』活用術
病気になった時に付き合うことの多い「薬」。なにか疑問に思うことがあっても、「こんなこと、薬剤師さんに聞いてもいいのかな?」「とりあえず言われた通り服用を続ければいいか」と思う方も多いですよね。
「多くの人に薬の適正な使用についてもっと知ってほしい」という想いから、医療業界でさまざまな活動に取り組んでいるのは、今回お話を聞いた「一般社団法人くすりの適正使用協議会」の皆さんです。
同協議会の活動を通して、患者さんと薬剤師さんの関わり方や、薬の理解を深めるために私たちが今すぐできることを聞いてみました。
与那覇(HOP!担当者):本日はよろしくお願いします。
早速ですが、くすりの適正使用協議会では『くすりのしおり®』というWEBサイトを運営してらっしゃいますね。どのようなサイトなのでしょうか?
栗原さん:『くすりのしおり®』を活用できる場面は、大きく分けて2つあります。
ひとつは、薬剤師さんが患者さんに「いつもより詳しく薬の説明をする必要がある」と判断したとき。もうひとつは、患者さんやそのご家族が飲んでいる薬を調べたいときです。
与那覇:薬剤師さんだけでなく、一般の方も利用できるサイトなんですね。
栗原さん:そうなのです。「薬」や「薬剤師」もっと言えば「医療」って、皆さんとっつきにくいイメージをお持ちだと思います。ただ、それだと薬との距離はなかなか縮まりません。
『くすりのしおり®』は、「一般の方に薬剤をもっと理解してもらいたい」という想いから、なるべく難しい言葉は使わずに平易な言葉で作成しています。
与那覇:『くすりのしおり®』を見ると、製品名や企業名で簡単に薬を検索できるようになっていますね。検索するとどのようなことがわかるのでしょうか?
栗原さん:お医者さんから処方される薬の説明をわかりやすく書いています。各製薬会社が決められたルールのもとに作成していますから、正確で信憑性の高い情報です。
情報は製薬企業が直接作成しているため、安心して使えるのがうれしい。
与那覇:すごい!作用や効果、副作用など、とても細かく書いてあるのですね。素人の僕でも、これを読めば薬の効果や副作用、飲み続けるべきかどうかといった判断ができるということですね?
栗原さん:いえ、そういうことではないのです。
与那覇:…え?どういうことですか…?
2.「薬を飲む、飲まない」を自己判断することの恐ろしさ
栗原さん:たとえば、与那覇さんが薬を飲んで頭が痛くなったとしましょう。それがあまりにも突然で、「この症状は今飲んでいる薬が原因かもしれない」と思ったとします。
自分の体の変化が気になる。ちょっと不安…。そんなときに『くすりのしおり®』を読んで自己判断で服用をやめた場合、どうなると思いますか?
与那覇:う~ん…どうなるのですか…?
栗原さん:実は、どうなるかわからないのです。
体の不調が薬による副作用によるものなのか、本来の病気によるものなのか、それとも別の原因なのか、がわからないからです。それを判断するために、医師や薬剤師などの医療のプロがいるんですね。何年も何十年もその道に携わってきたプロが判断するからこそ、安心なのです。「体をよくするために処方された薬」があなたの体に合うか・合わないか、絶対に一人で判断してはいけないのです。それが思いがけない悪化要因になるかもしれないですし…。
与那覇:なるほど。自己判断はとても怖いものなのですね。
栗原さん:困ったときは自分で勝手に判断せず、薬剤師さんに聞いてほしいです。
与那覇:でも、薬剤師さんに会うのは薬の受け渡しのときだけですよね。正直、薬をもらうときも何を話したら良いかわからないのですが…。
栗原さん:薬剤師さんには何でも聞いていいのですよ。たとえば…
「どうしてこの薬を飲むのですか?」
「どのような副作用が出る可能性がありますか?」
「飲み忘れた時はどうすれば良いですか?」
「いつも飲んでいるこの薬と一緒に飲んでも大丈夫ですか?」
など、「そんなこと聞いていいの?」と思ったことでも聞いてもらった方が、むしろ薬剤師さんは助かるのです。
与那覇:そうなんですか?私はお医者さんや薬剤師さんを前にすると、つい萎縮してしまいます。「こんなこと聞いていいのかなあ、恥ずかしいしやめておこう」って思ってしまいます…。
栗原さん:いえ、本当にズバズバ聞いてもらった方が、薬剤師側も具体的にアドバイスができるのですよ。「そういう場合はこうした方がいいですね」とか「もしこんな症状が出たらすぐに教えてくださいね」とか。
薬剤師も薬を調剤するだけではなくて、もっと患者さんとコミュニケーションをとりたいと思っています。何より、相手に元気になってほしいのです。
とはいえ、患者さんから薬剤師さんに質問するってなかなか難しいですよね。
「腹痛でお医者さんにかかって、○○という薬を飲んで、その結果××という症状が続いていてしんどいです」というふうに具体的に伝えられるといいのですが、与那覇さんは説明できそうですか?
与那覇:難しいです。そもそも薬の知識がないですからね…。
栗原さん:そうですよね。
そんなときこそきっかけとして『くすりのしおり®』を利用してほしいのです。
患者さんと薬剤師さんが、病気や薬について双方向で理解を深め合うことが『くすりのしおり®』の役割のひとつでもあるからです。
たとえば薬をもらうとき、「薬情」と呼ばれる処方薬の説明書も一緒にもらいますよね。実は、この説明書に書いてあるのはその薬のごく一部のことだけ。だから、その薬に関して腑に落ちないことがあれば『くすりのしおり®』を読んだうえで薬剤師さんに質問してもらえれば、薬剤師さんも患者さんが何に疑問や不安があるのかがわかるのです。
与那覇:そんな活用法があるんですね。
栗原さん:薬剤師さんによっては「この患者さん、もうちょっと薬のことを知りたいのかな」と感じることもあります。そんなときに薬剤師さんから「こんなWEBサイトがあるから見てくださいね」「こういう症状が出たら教えてくださいね」と、具体的に伝えることができます。
患者さんと薬剤師さん双方が『くすりのしおり®』を使えるようにしていきたいですね。
与那覇:患者さんが薬のことで困ったら『くすりのしおり®』を見て、薬剤師さんに質問する。薬剤師さんは『くすりのしおり®』も参考にしてみてね、と患者さんに伝える。 双方が『くすりのしおり®』を上手に活用できれば、患者さんの病気や薬への理解も深まりそうですね。
3.海外旅行者必見!英語版『くすりのしおり®』
与那覇:ところで『くすりのしおり®』には英語版もありますね。英語版は、一体誰が使うのでしょうか?
恩田さん:外国人の患者さんへの説明に使うこともありますが、実は日本人がよく使っています。
与那覇:海外旅行で、特定の薬を処方してほしいときでしょうか…?
恩田さん:そのケースもあるかもしれませんが、おもに税関などでの説明用と聞いています。海外に旅行や出張で行くときは、普段飲んでいる薬や常備薬を持っていくことも多いと思います。
与那覇:そのときは英語で説明しなければならないってことですよね…。
恩田さん:そんなとき、英語で表記された『くすりのしおり®』のプリントアウトを見せれば、難しい説明をせずに済みます。最近では、修学旅行で海外に行く学校も増え、生徒に持参薬がある場合は英語の説明書を学校に提出しなければならないこともあるようです。
恩田さん:薬剤師さんは患者さんに薬の英語の説明文書を求められたとき英語版『くすりのしおり®』を思い出して頂ければと思います。
4.健康のカギは患者さんと薬剤師さんのコミュニケーション
与那覇:いろいろと説明していただいて、ずいぶん「薬」のことを知れた気がします。とはいえ、まだまだ多くの人にとって薬はとっつきにくいものですよね。
恩田さん:実際、薬剤師さんから「薬のことは何でも聞いてくださいね」と言われても、患者さんは何を聞いたらいいか戸惑うと思います。だからこそ私たちは、患者さんと薬剤師さんがもっとコミュニケーションをとるためのいろいろな方法を考えています。
与那覇:くすりの適正使用協議会では、WEBサイト『くすりのしおり®』以外にもいろいろな取り組みをされているんですよね。
恩田さん:はい。たとえば患者さんと薬剤師さんがどのようなコミュニケーションを取ればよいのか、具体的にイメージできる動画も作って公開しています。
与那覇:これはわかりやすいですね。薬剤師さんとの会話の参考になりますね。
恩田さん:最近ではスマホアプリの「電子おくすり手帳」から『くすりのしおり®』が見られるようになっているものもあります。
栗原さん:これは聞いた話ですが、昔、町の薬局は人々にとってものすごく親しみのある場所だったらしいです。たとえば近所のお母さんが「子どもがこういう症状だけれどもお医者さんに行ったほうがいいですか?」と相談するような場所だったようです。
薬剤師さんは薬を調剤するだけではなくて、町の人々と健康の架け橋の役割であったということです。
与那覇:今ではあまり想像できない話ですね。
ただ「かかりつけ薬局」の制度が多くの人に浸透すれば、現代の薬局も昔の「町の薬局」のように頼れる存在になりそうですね。
工藤さん:昔は「あそこの薬剤師さんはよくしてくれるから、何でも聞いてみよう」「風邪でも腹痛でも、とにかく薬局に行けば何でも聞ける」といったように、薬局が人々にとって健康のよりどころでもあったんです。薬剤師さんが、近所の優しいお兄さん・お姉さんのような存在だったんですね。
与那覇:気軽に相談できる薬剤師さんが近所に1人でもいれば、一人暮らしの方や高齢の方も安心ですよね。
工藤さん:薬のことで困ったら「薬剤師に相談する」という選択肢があることを頭の片隅に置いていただけたらうれしいです。そのための一歩として、『くすりのしおり®』をどんどん活用してほしいですね。
与那覇:今回の取材で、僕自身も薬や薬剤師さんについての理解が深まりました。
本日はありがとうございました!
『くすりのしおり®』詳細
2019年10月現在(1997年公開開始)
- 協力企業:176社
- 掲載薬数:日本語版:16,485種類
- 掲載薬数:英語版:9,521種類
- 運営:一般社団法人 くすりの適正使用協議会
~『くすりのしおり®』を使った薬の情報の探し方~
スマートフォンで『くすりのしおり®』を使って、薬の情報を探してみましょう。操作はとってもカンタン。まずは服用中の薬や、気になる薬を調べてみましょう。
(1)下記URLをクリックし、WEBサイト『くすりのしおり®』 を表示します。
(2)検索画面が出たら、調べたい薬の名称を検索窓に入力します。
(3)検索結果で、該当する薬の名前をクリックすれば詳細を閲覧できます。
※この記事は弊社別メディア「HOP!薬剤師」からの転載です。
※取材時期:2017年11月ごろ
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